東京株式(前引け)=続伸 一時400円高、米株高や円の下落で

24日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比375円78銭(1.08%)高の3万5244円41銭だった。
 
前日に続きリスク選好の地合いが続き、日経平均株価は3万5000円台を回復した。前日の欧州株市場が全面高だったほか、米国株市場でもNYダウが一時1100ドルを超える上昇をみせるなど買い戻しが加速したことで、この流れを引き継ぎ、大型株中心に幅広い銘柄が買われた。東京株式市場はこの流れを引き継ぎ、半導体関連など主力株に買いが先行した。
ただ、外国為替市場では取引時間中にドル高・円安が一服しており、その分全体相場の上値を重くした。
 
トランプ米大統領は23日、関税を巡って中国と「公正な取引をする。全てが活発に進む」と話し、関税交渉に応じるよう中国に呼びかけた。トランプ氏は交渉次第で累計145%の対中追加関税を下げ、中国に対する新たな関税率を今後2〜3週間で発表する可能性があるとも示唆。米中貿易戦争が激化するとの懸念が和らいだ。米政権が自動車メーカーの関税の一部免除を検討していると報じられたことも追い風になった。
 
ベッセント米財務長官は23日、日本経済新聞など一部メディアに対して、関税を巡る日米交渉で「特定の通貨目標を求める考えはない」と述べた。24日に日米の財務相会合が予定されるなか、日本側が円安是正を迫られるとの思惑が後退し、株買いを後押しした。
 
ただ、上値では戻り待ちや利益確定目的の売りに押された。23日に開かれた国連安全保障理事会の非公式会合で、中国が米関税政策を巡って米国側を非難したと伝わった。赤沢亮正経済財政・再生相が30日から5月2日まで訪米し、日米関税交渉の2回目の協議に臨むと日本経済新聞電子版などが24日午前に報じた。市場では「米関税政策は二転三転する状況が続いており、具体案が米国側から示されない限り、日経平均が積極的に上値を追う雰囲気にはなりにくい」との声が聞かれた。
 
前場の日経平均は、25日移動平均線が位置する3万5017円を終始上回っている。日米財務相会合を前に積極的な買いは手控えられて上値の重さが感じられる状況ではあるが、25日線を上回ったまま取引を終えれば、約一カ月ぶりのこととなる。日経平均VIが29ポイント台と高い水準で推移していることで、リスク管理の観点から機関投資家はまだ買いに動けないと考えるが、25日線水準の回復などを考慮すると、徐々に投資環境は改善しつつあると言えよう。後場も引き続き様子見姿勢が強い地合いとなりそうだが、日経平均3万5000円台維持に期待したい。
 
 

 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは26.12ポイント(1.01%)高の2610.44だった。JPXプライム150指数も続伸した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆597億円、売買高は9億381万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は897。値下がりは697、横ばいは41だった。
 
 
業種別では、非鉄金属、輸送用機器、その他製品、保険、海運などが上昇した一方、陸運、小売、食料品、不動産、パルプ・紙などが下落した。
 
 
個別ではディスコ、SUMCO、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の一角も上昇。フジクラが高く、米国が自動車産業を対象とした関税軽減を検討と報じられたことから、SUBARU、マツダ、日産自、トヨタ自動車、三菱自など自動車株が総じて買われた。ソフトバンクグループも値を上げた。三菱重工業、川崎重工業など防衛関連が上昇、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも上値を追った。このほか、野村マイクロ・サイエンス、レノバなどが値を飛ばしている。
 
半面、ニトリホールディングスが安くも軟調。一方、足元円高メリットなどの側面から買われていたニトリホールディングス、ニチレイ、イオン、サッポロHD、良品計画などは売り優勢となった。フジ・メディア・ホールディングスも下落。クオールホールディングスが急落、KOAも大幅に水準を切り下げた。
また、小田急、JR西、JR東海、京成などディフェンシブ関連もさえない。このほか、東宝、良品計画、明治HDなどが売られた。