
前日の米株安を受け買い手控えムードから軟調なスタートとなった。しかし下値は固く、ほどなくしてプラス圏に切り返した。米株市場では半導体関連が売りに押され、東京株式市場でも同関連の主力株中心に見送られたが、一方で不動産や建設など内需株に強い銘柄が多く、全体相場を牽引した。
また、外国為替市場ではドルが買い戻され一時1ドル=147円台後半まで円安方向に振れたことで、自動車株なども頑強な値動きを示した。個別株の物色意欲は活発で、好決算銘柄などを軸に大口の投資資金の流入が観測された。業種別では33業種中、32業種が上昇するなどほぼ全面高様相。値上がり銘柄数は全体の8割近くを占めている。また、売買代金は後場に入って厚みが加わり、5兆4000億円台に膨らんだ。
好決算を発表した銘柄を中心に物色が広がった。
5日に決算を発表した銘柄では三井不が買われ、大手不動産株に買いが波及した。ダイキンも堅調だった。出資先の米オープンAIの企業価値の高まりを示唆する米報道を受けて、ソフトバンクグループ(SBG)の上昇も目立った。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=147円台後半に下落した。輸出関連ではトヨタやホンダといった自動車株のほか、三菱重やクボタなど機械株に幅広く買いが入った。
日経平均は下げる場面もあった。前日の米株式市場でナスダック総合株価指数や主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落した。東京市株式場では東エレクやディスコに売りがかさんだ。
さて、東京株式市場は日経平均が下値25日移動平均線(4万250円)からの反発を着々と進め安定上昇基調を維持している。現状では上値10日移動平均線(4万911円)が最初の抵抗線となっているが、4万1000円の心理的な節目と合わせ今週の上値の課題となってこよう。一方、トピックスはすでに同線を超えており移動平均線の上値抵抗ポイントはない。強含みの基調が続きそうだ。