東京株式(前引け)=伸、319円高 TOPIXは最高値上回る
 
7日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比319円82銭高の4万1114円68銭だった。
 
きょう前場の東京株式市場は利益確定の動きで朝方安く始まったが、売り一巡後は切り返し底堅さをみせた。前日の米株式市場では米国内での生産拡大に向けた追加投資を発表したアップル<AAPL>が大幅高となり、NYダウをはじめ主要株価指数が上昇。この流れを引き継ぎ先物主導で買いが入り、日経平均は300円あまり上昇し、TOPIXは7月24日につけた終値ベースの最高値(2977.55)を上回る水準に浮上した。
前日の米株高や日本株の先高観を背景に海外短期筋とみられる株価指数先物への買いが断続的に入り、前場中ごろからは一方的に上げ幅を拡大する展開となった。
 
決算シーズンが本格化するなか好業績銘柄を中心に物色意欲は活発。値上がり銘柄数は1100を超え、プライム市場全体の7割を占めた。他方、個別では半導体セクターの軟調が目立った。トランプ米大統領が6日に半導体製品へ100%の関税を課すと表明したことが警戒された。
 
前日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要株価指数が上昇した。米国内での生産拡大のために追加投資を決めたと伝わったアップルが大幅上昇したことで投資家心理が上向き、日本株にも買いが波及した。米関税政策を巡る比較優位などに着目した海外勢の日本株買いも観測された。
 
トランプ米大統領が6日に近く公表する見込みの半導体関税について「米国に輸入されるすべての半導体におよそ100%の関税をかける」と述べた。半導体メーカーの投資抑制の思惑で東エレクなど値がさの半導体関連株の一角は下落した。
 
後場の日経平均株価は、前場の続伸を受けて上昇傾向を維持する見通し。為替の円安寄りの動きや米国での利下げ期待を背景とした先物の堅調さが支援材料となる可能性が高い。また、企業決算や政策動向、為替の変動による影響にも引き続き注目が集まっており、後場にかけては需給と材料の兼ね合いが相場方向の鍵となろう。
 
 


 
東証株価指数(TOPIX)は続伸。前引けは25.16ポイント(0.85%)高の2991.73だった。7月24日に付けた最高値(2977.55)を上回った。JPXプライム150指数は続伸して前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆6061億円、売買高は11億3781万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1163と全体の7割を占めた。値下がりは405、横ばいは54だった。
 
 
業種別では、電気・ガス業、その他製品、倉庫・運輸関連業、情報・通信業、小売業、銀行業、保険業などが上昇。一方で、非鉄金属や繊維製品など一部で軟化したセクターも見られたが、全体としては幅広いセクターが堅調な推移となっている。
 
 
日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループ(SBG)やファストリが買われた。アップル関連のTDKも高い。一方、フジクラやホンダ、花王は下げた。
 
個別ではソフトバンクグループをはじめ、日立製作所、良品計画が堅調。任天堂、サンリオも高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株もしっかり。エムスリー、JMDCが急騰。ロート製薬、資生堂も大きく水準を切り上げた。
ファーストリテ、TDK、コナミG、KDDI、ダイキン、富士フイルム、バンナムHD、リクルートHD、ファナック、任天堂、資生堂、信越化学、イオンなど幅広い銘柄が上昇した。
 
半面、東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテストが軟調。フジクラも小安い。シスメックス、中外薬、フジクラ、ホンダ、ソニーG、第一三共、花王、オムロン、ルネサス、IHI、オリンパス、トレンド、デンソーなどが下落した。