東京株式(大引け)=648円高、米株急騰受け買い戻し誘発
【大引け概況】


23日の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、終値は前日比648円03銭高の3万4868円63銭だった。
 
本日のマーケット動画
時間:00:01:05 容量:13.67M  ▼音声 VOICEVOX Nemo

過去のマーケット動画はこちら
 
きょうは、リスクオフの巻き戻しが鮮明となった。前日の米国株市場ではベッセント米財務長官が中国との貿易戦争が早晩改善に向かうとの認識を示し、これを好感する形でNYダウが1000ドル超に買われるなど一気に反騰色を強めた。東京株式市場でもこれに追随する形で幅広い銘柄にショートカバーが観測され、日経平均やTOPIXを押し上げる格好となった。
トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の解任を否定したことで外国為替市場での円安も追い風に、日経平均は寄り後早々に900円あまり上昇し3万5000円台に乗せる場面もあったが、買い一巡後は利益確定売りや戻り待ちの売りが上値を抑えた。
 
中央銀行の独立性への懸念が後退してドルが幅広い通貨に対して買い戻され、円相場が一時1ドル=143円台まで下落したことで輸送用機器、電気機器、精密機器などの輸出株は上昇が目立った。
市場関係者は「トランプ関税に対する前向きな材料を素直に評価した買いが入ったものの、節目の3万5000円近辺で利益確定売りが増えたように、決算発表の本格化を前に上値を追いたいと考える投資家は多くない」とみていた。
 
さて、東京株式市場は米株高、円安という外部支援によって大きく反発。日経平均、トピックスともに主要指数が上値25日移動平均線へと一時達している。市場には改めてトランプ関税を売り過ぎたことが浸透しもう一段上の水準へレンジを切り上げる動きが表れている。一方的なトランプ関税は徐々に過去のものとなりつつあり、現状は各国とのディールによる相場形成という第二段階に入ってきている。


 

東証株価指数(TOPIX)は続伸し、終値は52.20ポイント(2.06%)高の2584.32だった。JPXプライム150指数も続伸し、26.27ポイント(2.37%)高の1134.05で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆2914億円、売買高は18億1680万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1347。値下がりは244、横ばいは44だった。
 
業種別株価指数(33業種)は保険業、銀行業、輸送用機器、電気機器、卸売業などが上昇。下落は水産・農林業のみ。
 
個別では、米製薬大手からバイオ医薬品の生産を受託したことが好感されて、富士フイルムHDが大幅高となったほか、曲がる太陽電池ペロブスカイトの保護膜生産を26年度から開始と報じられたコニカミノルタも急騰した。三菱重工業、川崎重工業、など防衛関連が買われたほか、フジクラも上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも堅調だった。トヨタ自動車が高く、任天堂も頑強、JTの上げ足も目立った。ジャフコ グループが値上がり率トップに買われ、タナベコンサルティンググループはストップ高となった。また、前期業績見通しの上方修正を発表した大成建設は後場一段高。証券会社のポジティブなレポートを材料にトヨタ自も買われた。
 
 半面、断トツの売買代金をこなしたディスコが朝高後に軟化、サンリオが大きく水準を切り下げた。週初まで6連騰していた中外薬品が続落。円高進行が一服したことでニトリホールディングス、ニチレイなども利益確定の動きが優勢だった。オービックビジネスコンサルタントが値下がり率トップに売り込まれ、ブロンコビリーも大幅安。SHIFT、レックなども利食われた。また、ディー・エヌ・エー、コナミグループなどエンタメ系もさえない。