《Eimei「みちしるべ」》
(9月7日から9月11日の週)
「相場はタイミングこそすべて」という声と「相場は銘柄選択こそすべて」の声。
どちらも正しく思えるからややこしい。
「CMEが安いから今日は安い」というような十年一日のような相場見通しではもう通用しない。
「行き過ぎもまた相場なり」は言い得て妙な格言。
「相場の故郷かえり」は上でも下でも活用できる筈。
ふと気がつけば日銀が先週金曜に買ったETFは317億円。
それまでは337億円づつだったから少し減った。
何しろ今年買ったETFは2兆3003億円。
今年の予定額は3兆円で残りは約7000億円。
この317億円のペースだとあと22回で底を突く計算。
これが間に合わなくなったらどうするのだろう。
3兆円を5兆円くらいまでに増やすとすれば事足りるのだろうか。
そうすると全体15兆円のETFのうち10兆円を日銀が保有することになる。
これは異常な数字だが、誰も文句を付けないところが不思議なところ。
そして国策に売りなしが勝てるのかどうか。
人民元にナーバスな中国みたいなものではないが、どうも国家的相場形成というのが気にかかる。
「国民背番号制度」がマイナンバーになるとすんなり通るようなものだろうか。
「安保」もセーフティシステムとでも呼び変えると自虐的だが良いかも知れない。
興味深いのは日経平均採用銘柄の入れ替え。
新規採用が長谷工(1808)とDeNA(2432)。
除外が日東紡(3110)、平和不(8803)。
流動性で平和不とDeNAを交換、業種間調整で長谷工とDeNA。
平和不動はもともと取引所の大家さん。
そして以前は特定銘柄のゲキタク商い対象銘柄。
相場は平和不(ボロ)から寄り付き、ホロで引けるのが兜町だったが・・・。
そんな昭和の匂いも消えてきたのだろうか。
機械にそんな情緒的なことを求めても詮無いことなのだろう。
因みにゲキタクは「撃柝」で拍子木を打って商い成立の合図にしていた。
しかも集団競争売買のセリ商い。
株をセッた時代は終わった感。
「出来申さず」カーン。
なんて言葉は死語と化してしまうのだろう。
日経平均想定レンジ
下限17529円(PER14倍台割れ水準)〜上限19071円(200日移動平均)
日経平均の25日移動平均からのかい離はマイナス9.32%(8月25日はマイナス12.2%)。
75日線からはマイナス11.65%。
200日線19071円からはマイナス6.72%。
仮に10%のマイナスかい離ならば17163円となる。
松井証券信用評価損率速報で買い方はマイナス16.39%。
(8月25日がマイナス18.867%)。
東証1部の騰落レシオ72.93%(8月25日は67.22%)。
2011年以来5回目の70%割れだったという指摘も聞かれる。
日経平均採用銘柄のPERは14.21倍。
EPSは1252円だから17529円を割れるとPERは13倍台に低下する。
2月9日(17799円)と12日(17979円)のマドは埋めた。
その下のマドは10月31日の16533円と11月4日の16720円のマド。
そこまでは考えにくいところだし、そうなるとPERは13.2倍台まで低下してしまう。
吹き続ける野分はないし、山より大きなイノシシは出ない。
問題はどの程度の山を想定するかだが・・・。
ウクライナを話題にしギリシャを弄んだ市場。
今は中国とアメリカと言う連立方程式に翻弄されている。
2つのことを同時に考えられない株式市場の特性を突かれた印象。
そしれいずれ忘却の世界に彩られるのだろうが、我慢できないのも株式市場の特性。
(兜町カタリスト 櫻井英明)