《Eimei「みちしるべ」》
(1月12日から1月15日の週)
大発会から第1週は5連敗。
戦後初の出来事となった。
因みに3連敗が3回。
95年に4連敗が1回。
それ以上の連敗記録。
申年の相場の初めにいきなりサル3匹登場した。
1匹目は中東のサウジとイランの国交断絶。
正月早々の中東リスク懸念を醸し出している。
2匹目は中国。
製造業PMIの悪化で景気先行き不安を感じさせている。
余計だったのは3匹目。
北朝鮮が水爆っぽい核実験を行い、東アジアの地政学リスクを高めた格好。
昨年もウクライナとかイラク、ギリシャなどの午が暴れさせられが、今年もアチコチで悪猿の乱舞。
神出鬼没のサルに翻弄される市場からの声は「うんざり」。
しかしいずれにしてもこれらと付き合っていかなければならないのが市場の宿命。
「うんざり」と言いたくもなるが、あしらい方を学ぶ方が賢明だろう。
ただ・・・。
下げているのは指数で個別株は新興中小型株にストップ高を交え元気なものも散見される。
おそらく起きていることは、これまでもあった指数と個別の相克。
指数にこだわらなければダブルバーガーは結構見つかる。
目の前を通り過ぎている個別材料に気がつくかどうかの差がパフォーマンスに現れるということ。
ここを見逃してはいけない。
指数続落個別ストップ高の動きは今年の象徴なのかも知れない。
日経平均想定レンジ
下限16901円(9月19日5日安値)〜上限18943円(12月SQ値)
以下はブラックストーン副会長のバイロン・ウィーン氏の「2016年版ビックリ10大予想」。
(1)【2016年米大統領選、民主党のヒラリー候補が勝利】
共和党のテッド・クルーズ候補を打ち負かすだけでなく、民主党が米上院で多数派に躍り出る。
クルーズ候補の極端に保守的な政策が裏目に出る見通し。
ただ選挙結果は、両党とも予想以下にとどまる。
(2)【米株は下落】
業績不振、利ザヤ縮小(賃金上昇でも価格競争力低下)、株価収益率(PER)の縮小が打撃となる。
世界的に不安定な情勢で、現金志向も強まり株価を圧迫へ。
(3)【FEDは2015年12月利上げ後、2016年の利上げは1回のみ】
2015年12月に利上げを開始した当時は2016年に4回にわたる利上げを予想していたものの、
0.25%1回のみにとどめる。
経済と業績の低迷に加え、経済的苦難を抱えるエマージング国が背景。
年後半には利下げ転換すら、検討され始める。
成長率は2%以下に終わる。
(4)【海外投資家、米株の持ち高を縮小】
米経済の鈍化や業績不振を受けた米株安により、海外投資家が米株の持ち高を縮小させる。
米大統領選など政治的な不透明性も嫌気され、ユーロドルは1.20ドルまでユーロ高・ドル安が加速する。
(5)【中国は辛うじてハードランディングを回避も経済減速は免れず】
中国経済はハードランディングを回避するとはいえ若い世代を満足させる雇用を創出できず、
銀行も不良債権の増加に苦しむ。
債務はGDP比250%に増大し、小売売上高をはじめ自動車販売、鉱工業生産が上向くも
成長率は5%以下まで鈍化へ。
人民元は輸出促進を目指し、対ドルで7.0元へ切り下げる。
(6)【難民問題でEUは再び崩壊の危機】
国家主義者、極右が台頭し、EU崩壊の決断こそ下されないものの
ユーロの長期見通し長期的見通しに暗雲が垂れこむ。
(7)【原油は30ドル台で低迷】
世界経済の鈍化に加え、イランの増産やサウジアラビアの産油量調整への躊躇が仇となる。
採掘活動の縮小でいずれ原油高を迎えるときが到来するだろうが、2016年に需給ひっ迫は見られない。
(8)【ニューヨークやロンドンなど、高級不動産が急落】
ロシアや中国の買い手が市場から撤退し、高級不動産が値崩れする。
原油安により、中東の投資家の需要も低下。
数多くのコンドミニアムが売れ残り、不動産開発業者は困難に直面する。
世界都市部の高級不動産物件。
2016年は1.7%の上昇と2015年の3%から鈍化するとの調査結果も。
(9)【米10年債利回り2.5%以下で推移】
米経済の鈍化と米株の失速を受け、投資家は安全資産へ資金を振り向ける。
(10)【世界経済成長率は2%増へ】
米国の弱い国民総生産(GNP)に加え中国、その他エマージング国経済も予想以下に終わる
その他の「起こりうる」予想。
(11)【米欧で大規模なテロは減少】
安全保障面が強化されイスラム国(IS)やアルカイダなど、
テロ組織による100人を超える死傷者を出すような大規模な攻撃は米国及び欧州で減少する。
ただし、米国は中東からの難民受け入れを限定的にとどめる。
(12)【日本、アベノミクスが奏功する】
2015年下半期の景気後退から脱し、成長率は1%増となる。
日経平均は2万2000円へ上昇する一方、ドル円は130円までドル高・円安が進む。
(13)【投資家は金融工学への態度を硬化させる】
自社株買いをはじめM&A、租税回避策は短期的に1株当たり利益こそ引き上げるのみと気づき、
設備投資や研究開発費の改善を求めるようになるためPERは低下する。
(14)【製薬業界にとって大躍進の年に】
ガン、心臓病、糖尿病、パーキンソン病などにおいて画期的な新薬が複数開発され、
新薬の価格に対する政治家の批判も緩和する。
寿命は延び続け、年金プログラムを一段と圧迫していく。
(15)【商品価格は安定へ】
農業主、産業素材メーカーが減産に踏み切るため、商品価格は安定していく。
エマージング経済はリセッションから脱却し同株式市場も好調なパフォーマンスに驚きを禁じ得なくなる。
(兜町カタリスト 櫻井英明)